新たな反応タンク風量制御システムの開発

摘要

活性汚泥法は，反応タンク内の活性汚泥に空気を送ることで従属栄養細菌等による有機物代謝ゃ硝化細菌によるアンモニアの硝化などで汚水を処理する優れた汚水処理方法であるが，送風機は下水道施設における消費電力の約2割から3割前後を占める.このため，良好な水質を維持しつつ，地球温暖化ガス排出量と電力コストを削減するため，様々な高度処理法等が開発・導入されている.しかしながら，水処理の現場では，水処理施設の系列毎に池の構造や散気装置の水深，処理方法などが異なる場合があり，既存の送風機構成で，系列毎に適応した，きめ細かな風量制御を実施することは難しいといった問題がある.この問題を解決するため，本研究では既存の送風設備等を用いて各系列の反応タンクの区画(以下「回路」という)毎に必要な空気量を送風する制御技術「新たな反応タンク風量制御(回路別送風制御)システム」を開発し，実証研究を実施した.その結果，風量調節弁制御の応答性が改善され，風量削減効果が確認できた.