都市近郊の農村におけるクッヮムシの生息実態

摘要

クッヮムシは唱歌「虫のこえ」で知られるように日本人にとって文化的に親しみ深い生物である。近年、各地で都市化や農村環境の変容による本種の減少が指摘されており(例えば井上(2011)、内田(2003))、本種の生態的知見の蓄積や生息地保全にむけた取り組みは急務である。しかし、本種の生息の実態や土地利用などの環境条件との関係を検討した研究は既往では見当たらない。そこで本研究では、生息状況の把握と生息環境の関係について検討することを目的とした。