自立・循環型都市における新エネルギーの必要性と有効性: 小型・分散型の要素電源システムとしての特性と市場開拓の課題

摘要

筆者は，比較社会資本論，なかでも「水・廃棄物・エネルギー」に関わるインフラ整備計画を専門とし，これからの時代の自立・循環都市を支える基盤のあり方について研究している。このような視点から見れば，エネルギー分野は国家的命題として終戦直後に優先的な社会資本投資が行われたことが特徴である。この結果，確固たる集中型系統電力システムの基盤が形成された反面，新エネルギーに関わる要素技術の普及のための社会的素地はまだまだ未熟である。これからは，むしろ需要サイドの視点から見た市場開拓の努力が重要であると考えられる。