電圧変動と周波数変動について〔1〕需給の不均衡にょリ発生する周波数変動

摘要

本稿では，電力系統において需給の不均衡により周波数変動が発生するメカニズムと周波数変動が与える影響，常時および緊急時の周波数調整について述べる。電力系統においては.負荷（需要）と発電（供給）のバランスが崩れると周波数が変動する（たとえば，発電のほうが大きい場合には，周波数は上昇する）が，原理について簡単に説明する。まず，ーつの同期発電機を考える(第2.1.1.1図）。「口]期発電機では，蒸気タービン等からの回転子を回転させようとするトルク（Tm)と，電気的な出力トルク(Te)が釣り合った状態において回転数（to)は一定となり.これが釣り合つていない状態では，同期発電機の回転数は上あるいは低下する。たとえば，蒸気夕ービン等からのトルクのほうが大きければ，同期発電機は加速する。この際，同期発電機の慣性(M)きいほど，回転数の変化は緩やかとなる。電力系統には多数の同期発電機があるがこれらは同期して回転しており，周波数はこれら同期発電機の回応している。このため，電力系統全体として捉えた場合，同期発電機と同様に発電の総量と負荷の総量が一致していれば周波数は一定となり.このバランスが崩れると周波数が変動することになる。