施工性を考慮した盤

摘要

分電盤での施工性向上への取組みは，1980年代後半より活発となり，各盤メーカーはー品ー様につくり上げるカスタム盤から，標準部材を組み合わせてつくり上げる標準盤とし施工性の標準化を行い，省施工化を図ってきた。しかし，これからの電気工事業界においては，省施工の要望に加えて省人化の要望も高まっている。その背景には，国が抱える少子高齢化が関係している。少子化によって労働人口が減り続けることや，高齢層の大規模な退職などにより，2020年ごろから電気工事士の人手不足が発生する可能性が高く，社会問題としても取り上げられている。経済産業省が行った調査によると，第1種電気工事士の技術者が2020年前半には19万人程度の需要があるのに対し，4万人前後の人手不足になる可能性があるといわれている。つまり，工事時間の短縮，施工の効率化は必要不可欠な課題であり，分電盤においても省施工な構造の重要性が，ますます高くなつてくると予測される。