歴史ある花染に画期的な手法を創案 新時代を拓いた花染作家・中川善子さん

摘要

今日は自然界の花々を染料に染色作品を創作されている、世界的にも稀有な、国内では花染普及に努めて来られた花染作家の第一人者・中川善子さんに、その真髄を伺いたいと思います。花染と言えば“紅花”という常識を覆させる、染織界未踏の「花びら染め」の研究に着手されたのは昭和45年。その成果を公開する「チューリップ花びら染展」を昭和60年に。本誌では同年11月発行の56号で「花びら花染め」の特集を組ませていただきました。中川さんが考案された花染技法を詳細に執筆してくださったことで、全国に花染が染色として可能になったことを、一気に紹介することができました。まずお尋ねしたいのは、花染に挑戦しようとなさった切っ掛けです。漢方の研究者であった方がなぜ…。