都市における複数規模の地震動による建物応答シミュレーション:建物応答結果を用いたドア枠と天井の被害予測

摘要

日本は世界有数の地震大国であり多くの大地震を経験し、大地震に対する建物の耐震に関する研究が進められている。しかし、そのようなごくまれに発生するかもしれない大地震だけでなく、発生頻度がより高いと考えられる中規模程度の地震による被害への対策も併せて検討するべきである。建築基準法ではレベル1、レベル2 においてそれぞれ地震動を最大速度Vmax=25(cm/s)、50(cm/s)として検討される。しかし、その間やそれ以外の規模に対しては詳細に検討される場合は少ない。建物の安全性が人命の安全性であるとは言い切れず、中地震時などにおいて建物が倒壊しない場合でも、ドア枠の変形や天井の落下などの2 次部材の被害による避難経路の遮断が人的被害を発生させる可能性もある。