低層切妻鉄骨構造建築物の構造骨組用外圧係数の荷重効果に基づく検討

摘要

構造用鋼材は耐震性や工期の短さから,単純な間取りで大きいスパンを要する平屋の工場や倉庫に頻繁に用いられる。このような建築物は軽量であるため,建築物の部材を決定する際に地震荷重よりも風荷重が支配的になることが多い。切妻屋根をもつ閉鎖型建築物の構造骨組用外圧係数は日本建築学会の「建築物荷重指針・同解説」(以下,「荷重指針」と呼ぶ)や建築基準法(建設省告示第1454 号,第1458 号)に与えられているが,これらは風洞実験で得た平均外圧係数の面平均値に基づき規定され,構造物各部の荷重効果(応力など風力による応答)の最大値に基づいたものではない。また,規定の値は妻面や桁行面に正対する風向に対してのみ規定されている。