海軍戦闘機設計の真実: 曾根嘉年技師の秘蔵レポ一ト！

摘要

曽根さんが残した資料は、昭和10年2月から始まっています。9試単戦が飛行を開始した直後です。この資 料にはいろいろな内容が記載されています。三菱の製造部門への各種の指示、発注元の海軍とのさまざまな調整、 官側で実施する強度試験などへの立ち合い，さらに協力•分担する会社との打ち合わせなど、多くの業務を分 担していました。堀越チームによる戦闘機開発の足跡を迎る第一級の一次資料としては大変貴重なものといえるでしよう。堀 越さんが海軍の奥宮さんと共同執筆した名著『零戦』の詳細な記述と細かく突き合わせてみた結果、機体開発 の経緯，技術的な課題などについても一層深く理解できたように思えます。長期連載も昨年12月で完結し、今回は曽根資料を細かく読むことで明らかになった事項について，編集部の 要望も合わせたうえ、これまでの話に追加して言及してみょうと思います。