都市生態系に配慮した環境計画技術

摘要

持続可能な社会構築を目指し，都市部での様々な建設事業において環境保全の取り組みが広がりを見せている。その中で特に生物多様性・生態系への配慮はこの数年の間にその重要性が強く認識されはじめたテーマである。都市での建設事業は土地改変や施設の出現，緑地の増減など自然環境・生態系に直接影響を及ぼす空間的な変化を伴うものであり，それに対応した緑化手法や生き物への配慮技術の研究が進められ事業に取り入れられてきた。rn一方で都市生態系については捉え方が幅広く，立地場所や事業の規模などによりとるべき手法や配慮する対象生物，更に目的・狙いなども異なっている。生態系保全に対する企業や社会の意識も大きく変化している。rnこのような変化を捉えながら，都市開発事業に生態系配慮の考え方を導入するために，都市生態系の調査やポテンシャル評価の技術，そして持続的な管理運営手法や整備効果の検証などについて都市ならではの特徴に合わせた展開が求められている。