地震•津波観測監視システム構築のための海中作業技術: 地震津波観測監視システムDONET

摘要

日本周辺で発生する地震活動を正確にモニタリングするためには海域への観測網の展開が必要である。地震津波観測監視システムDONET（以下「本システム」という）（Dense Ocean-floor Network system for Earthquakes and Tsunamis）は，陸域と同等の能力を持つ観測網を海底に展開するために開発されたシステムである。多数の観測点から構築される大規模な観測網を長期間安定に運用するために，システムは海中での修理や交換を実現できる機能を持つ。本システムの開発においては，基幹となる通信用海底ケーブル技術を用いた観測システムの開発と合わせて，システムの海底での構築や将来的な保守整備を実現するための，海中ロボットを用いた海中作業技術の開発を行った。本稿では，システムの概要と，ロボットを用いた海中作業の実施における課題と解決手法について紹介する。