転倒防止機能を備えた塔状建物対応型トラベリング工法の開発

摘要

本工事は薬師寺の境内に遺る国宝の東塔(とうとう)の大規模解体修理のため，東塔を覆う素屋根を建設する工事である。奈良県発注の総合評価落札方式による入札物件であり，国宝である東塔の保護，周辺環境から素屋根をトラベリング工法により施工することが指定されていた。さらに2011年に日本を襲った東北地方太平洋沖地震の影(響)のため，トラベリング工事中においても大地震に対応し得る高い安定性が求められた。新たに考案した転倒防止機能を備えたトラベリング工法を実施し，無事工事を終えることができたのでここに紹介する。