MRデバイスを活用した水路トンネルの調査·点検手法と維持管理業務の効率化：水路トンネル調査·点検ナビゲーションシステムの開発と適用

摘要

水路トンネルの調査·点検では，近接目視により既往の損傷状況と現況を比較することでひび割れ等の進展状況を確認する。またその結果をもとに補修や補強などが必要となる箇所も見極める。しかしながら水路トンネルは照明施設がなく藻類の繁茂やコンクリート壁面などの汚れによってひび割れ等の判別が困難となり，現地での照合作業に多くの時間を要する。これら水路トンネルの調査·点検の現状を踏まえ，MR(Mixed Reality：複合現実)デバイスを用いて既往の調査·点検記録などを3D画像としてトンネル壁面に重ね合わせ，既往の損傷箇所や定期的な点検を要する箇所などへの迅速なナビゲーションを可能とするシステムを開発し，実現場での適用を行つた。本稿では開発した調査·点検ナビゲーションシステムについて報告する。