建設機械から排出される温室効果ガスの亜酸化窒素とメタンの概況把握を目的とした排出ガスの測定

摘要

建設機械から排出される温室効果ガスの亜酸化窒素（N_2O)とメタン（CH_4)の概況を把握することを目的として油圧ショベル7台の排出ガスをFTIR (フーリエ変換赤外分光光度計）を使用したPEMS (Portable Emissions Measurement System)で測定した.測定対象の動作は，動力の小さい「待機」，および動力が走行，掘削等と同程度の大きさで測定値の標準偏差が小さい「ならし（模擬動作)」の2種類とした.国内外の文献にみあたらない以下の知見を得た.（1）SCR(尿素選択的還元装置）搭載車の「ならし（模擬動作）」で排出されるN_2Oの温室効果が相対的に大きい.（2）「ならし（模擬動作)」で排出されるN_2Oの温室効果ガスとしてのシェア（relative contribution to GHG emissions (CO_2-equivalent)) は，SCR非搭載車3台の平均で0.45%, SCR搭載車4台の平均で2.7%であった.SCR搭載車の2.7% は公道を走行するSCR搭載の自動車5台の文献値と同程度の値であった.