CFRPを用いた鋼構造物の補修•補強技術

摘要

近年，橋梁やプラントなどの既設鋼構造物において，腐食劣化が多く見受けられる。このような鋼構造を補修する際に，溶接やボルトで部材を取付ける工法が一般的であるが，種々の設計•施工上の配慮が必要である。一方，炭素繊維強化プラスチック（以下，CFRPと呼ぶ）は，軽量，腐食しない.および施工が容易等の長所があり，鋼構造腐食部の補修工法として適用されるようになってきている。さらに，近年，耐震や活荷重等の基準改定に伴い，鋼構造物の耐荷力不足に対するCFRP補強にも適用できるように，実験的な検討を実施してきており，研究成果がまとめられてきている。本稿はこれらの研究内容を紹介するものである。