コンピュータ利用の社会的価値を高めるためには？

摘要

ここ数年，NikeのFuelbandやJawbone UPなどの健康管理デバイス，任天堂DSなどのゲーム機，Apple WatchやPebbleなどのスマートウォッチなど，コンピュータやデバイスを身につけて外に出ることが当たり前になってきた.筆者はウェアラブル（装着型）コンピュータの研究をしていることもありこのような流れはとても喜ばしいことである.思い返せば，この研究領域に取り組むきっかけとなったのは，コンピュータを使って子供達を屋外に連れ出したいためであった.筆者（40歳）らが子供の頃にはいわゆる「ファミコン」が大流行し，親にとっては「コンピュータ=子供を屋内に閉じ込める悪いもの」という固定観念ができあがっていた.大学において研究テーマを考えるとき，この「コンピュータ=悪」の図式を打ち破れないかと考え，コンピュータを使うと健康になったり外で遊ぶようになり，みんながコンピュータを賞賛する，というビジョンを実現することを研究テーマとして取り組むことになった.