港湾と映画: 「出会い」と「別れ」の舞台としての港湾

摘要

古来，港は海陸の結節点で，荷物の揚げ下 ろしをするところといわれてきた。と同時に， 人が出会い，別れる場所でもあった。だから， 岸壁，海岸堤防，運河，倉庫などを背景にし た映画が多く撮られた。防波堤を回ってくる 船が埠頭についたり，内陸に住んでいる人が， 桟橋から離れたりする時，ドラマが始まった り，終わったりする。多くの映画監督が港で ロケをし，名シーンを残している。最近では， 港が大きくなり，港の埠頭の問や港口部にか かる橋梁が舞台になっている映画も多い。さ らに，『黒部の太陽』の石原裕次郎のように， 土木技術者が主人公の映画も存在する。本稿 では，名監督たちが，撮った港湾の名作をい くつか紹介しよう。