夭折の天才レーサー、ローゼマイヤーを偲んで

摘要

昔ミニカーの取材でドイツに行った際の事。バスに乗ってアウトバーンを移動中に、ツアー·コンダクターの方が「まさにここが、ローゼマイヤーの事故現場ですよ」と教えてくれた。生憎その時は夜だったが、昼間であれば、彼の死を悼んで建てられた石碑が見えたかもしれない。1930年代の後半のヨーロッパ。モータースポーッの世界では、国威発揚のために国家から莫大な援助を受けたドイツのメルセデス•ベンツとアウトウニオンが、それまで常勝だったブガッティやアルファロメオにとって代わり"シルバーアロー"の黄金期を現出させていた。その、アウトウニオン·チームのエースとして知られるのが、ベルント·ローゼマイヤーだ。今回ご紹介するのは、彼が1937年に駆ったアウトウニオン·タイプCの精巧なミニチュア•モデル。このモデルを手掛けたのはドイツのCMCというブランドで、同社のリリースするモデルはいずれも"量産ミニカー"としては究極とも言えるリアリティで知られている。