簡単で正確なスペアナ測定を可能にした環境の構築: SNG基地局の運用監視をスピーディーかつ正確に

摘要

今回私達はSNG設備の移設、更新において、減衰の少ない正確な波形を簡単、かつ迅速に測定できる方法を開発した。高い測定精度を得るために、スペアナをアンテナ直下に設置した結果、ビーコンレベルの測定値が設備更新前は-81.8dBmであったが、更新後は-61.1dBmとなり、20.7dB改善された。さらに、受信感度の指標であるG/Tについて、以前の設備では14.8dB/Kであったのに対し、更新後の設備においては30.3dB/Kへと大幅な向上が見られた。これらにより、主局代行を行う際にも十分に信頼できる測定精度の確保を達成している。そして、スペアナを遠隔操作するための重要な役割を果たしたのがプログラマブルキーボードを用いたオペレーション環境の構築である。スぺアナの操作性を最大限高めるために、スペアナのフロントパネルと対応するキー配置を割り当て、さらに誰もが容易にXPD測定を行えるような設定を考案した。これらの結果、これまで既に複数回のSNG主局代行を行っているが、非常に効率的なオペレーションが実現されている。プログラマブルキーボードは安価であり、さらにUSB接続によるキーボード操作が可能なあらゆる機器に応用可能である高い汎用性を有している。設定も非常に簡単に行えるため、機器の運用方法の変更や更新に伴って自由にアレンジが可能であり、幅広い要望に随時対応できる。工夫次第でさまざまな機器のオペレーション効率を向上させる可能性を秘めているといえるだろう。