設計思想の成熟へ向けて: 復興橋梁群の設計思想とその現代的意義

摘要

1923年の関東大震災後に，内務省復興局のエンジニアとrnして復興橋梁の数々を設計した成瀬勝武と福田武雄が，晩rn年に参加した座談会の記録がある．そのなかで，「日本独rn自の橋といえば何でしょう？」という質問に対して，豊海rn橋や新潟の万代橋の設計者として知られる福田が「まあ錦rn帯橋でしょうね」と述べるくだりを読んだ時，筆者は少しrnばかりショックを受けた．一般に，永代橋や清洲備に代表rnされる復興橋梁群は日本の橋梁設計史におけるメルクマーrnルであり，ユニークな構造形式の数々を生み出した日本近rn代橋梁技術の一大成果である，と見なされている．しかしrn当の設計者からして，少なくとも日本独自の橋を実現したrnという思いは持っていない．要するに，橋単体の設計・技rn術という観点で評価するならば，設計のモデルにしたドイrnツ技術の模倣の域を出るものではない，ということを自覚rnしていたのであろう．