道路橋示方書の改定概要

摘要

国土交通省は，平成29年7月に「橋，高架の道路等の 技術基準」（道路橋示方書）を改定した.今回の改定は， 大幅な改定となっており，様々な技術を活用しながら，橋 の性能を達成するにあたって，建設および維持管理の生産 性を向上させ，かつ，合理的かつ確実に長寿命化できるよ うに，技術基準の構成や階層が刷新された.共通編と各編 の関係，各編どうしの関係も変わっており，共通編は，単 に各編にまたがる共通事項を集約しているのではなく，道 路橋の設計原則が記載されるようになった.そして，各編 では，共通編に規定された橋全体にかかる要求性能に始ま る規定化体系に適合し，上部構造や下部構造の性能，さら には，それを構成する部材単体としての性能が規定される ようになった.また，性能を規定し，測るための方法とし て，橋の耐荷性能と耐久性能，設計供用期間，部分係数， 限界状態などの新しい概念も導入された.