植物特異的なフユニルアラニン生合成経路とその制御機構

摘要

は　じ　め　に 　フユニルアラニンはタンパク質構成アミノ酸であるとともにチロシンや脳内神経伝達物質の前駆体となる重要な化合物であるが、動物にはその生合成経路が存在しないため、必須栄養素の1つとして知られている。一方植物では、光合成で固定された炭素のおよそ30％がフユニルアラニン生合成経路に用いられており、フユニルアラニンを前駆体として数多くの芳香族化合物が合成される（色素、揮発性化合物、防御物質.