伝統文芸の折紙から産業イノベーションとしての折紙へ

摘要

21世紀の科学の責務として，「知識のための科学」に「社会における，社会のための科学」などを加えたブダペスト宣言（1999年）がある.わが国でも，「課題解決型研究」が認知されたことで，1995年の科学技術基本法により，基礎研究予算は大幅に増え，2004年以降，日本の研究がブレークスルーの世界のトップにランクされ始めた状況を来している.一方で海外生産が進み，ある種の閉塞感もある.新たな産業のイノベーションの創出が期待されるところである.そこで日本伝統の折紙は,この課題を解決する一助となるものであるとの私見を述ベてみたい.