さわれるテレビに向けた触感覚伝達システムの開発

摘要

現在のテレビは，映像(視覚情報)と音声(聴覚情報)を伝えるメディアである.視覚情報と聴覚情報の伝達技術のさらなる進展により.あたかもその場にいるかのような感覚が伝わるメディアへと発展していくことが期待され.次世代のテレビの開発が盛んに進められている.さらに.視覚と聴覚を補う新たな感覚として.物体に触ったときに人間が知覚する触覚情報を伝えることができれば，テレビは，材質感ゃ硬さ，温もりなどの.本質的に触らなければわからない情報を伝えられるメディアにさらに進化すると考えられる.そして，このようなマルチモーダルな情報伝達が可能なメディアでは，たとえば視覚障害者がこれまで知ることのできなかった被写体形状の情報などち.見る代わりに触ることで知ることができるようになると期待される.われわれは.将来のメディアの方向性のーつとして，まさに手に取るように情報を伝えることができる「さわれるテレビ」の実現に向けた研究を進めている.