新興国市場拡大とともに現地生産化が加速する日本自動車産業

摘要

新興国市場のかつてない興隆がみられた2000年代後半以降，日本の自動車メーカの新興国事業の比重が拡大し，世界生産•販売の構造は大きく変化した.新興国の中でもアジア地域事業の成長が著しく，世界最大市場となった中国，日本車が独占的なシェアを占めるASEAN，スズキの子会社Maruti Suzukiが最大メーカであり成長余力の高いインドといった，アジア主要国の事業規模は2013年までの8年間で2倍に拡大した.北米，欧州といった成熟した先進国市場の重要性は変わらないが，今後も中長期的にインド，ASEANなどの新興国事業が量的成長の鍵となることは間違いない.以下，㈱フォーインの集計による世界自動車生産•販売データから,日本メーカの海外生産•販売の変化について報告する.%Since the late 2000s Japanese OEM's businesses in emerging countries have grown. Structure of production and sales has significantly changed, especially growth in Asian region business is remarkable. Number of Sales is twice in the last eight years by 2013. The importance of U.S. and Europe is unchanged but emerging economies is the key to quantitative growth in the future.