自動化システムとドライバの心理

摘要

Contribution of automated driving systems to traffic safety is not easily appraised since drivers change driving behavior according to their cognition of traffic environment and their own driving skill. In this article, the author discusses behavioral and psychological effects of the automation, based upon the cognitive model of accident causation and upon the model of risk compensation.%ドライバが第1当事者となる交通事故の発生を説明する考え方として，スキルモデルと認知モデルのニつがある.前者は交通環境の困難度がドライバのスキルを上回つたときに事故が起きると考える.交通環境の困難度とは,道幅，見通し，混雑度，信号の有無，信号や標識の視認性，他の道路利用者の行動など，安全運転を難しくするさまざまな環境的要素である.このモデルでは，ドラィバが交通環境を克服するだけの操縦スキルを身につけることや，交通環境を改善して運転しやすい環境にすることが交通事故の抑制につながると考える.この立場に立てば，自動運転やァダプティブクルーズコントロール(ACC ： adaptive cruise control)はドライバの知覚機能と運動機能を代行したり補助したりバックアップしたりするものだから，交通安全に寄与するものとして無条件に歡迎されるだろう.