トラック

摘要

2015年の国内経済は,アベノミクスのもと,長引くデフレからの早期脱却と日本経済の再生に向けて,緩やかに回復しているとみられ,2015年暦年(1-12月)の国内総生産(GDP)実質成長率は前年比0.5%と2年ぶりのプラス成長となった.10月に大筋合意されたTPP協定や,2020年オリンピック·パラリンピック東京大会によって,今後のさらなる景気回復促進が期待される.一方,中国経済をはじめとするアジア新興国等の減速や資源価格の下落がみられる中で,アメリカの金融政策正常化が進んでいる.こうしたもとで,中国をはじめとするアジア新興国等の景気が下振れするリスクや国際金融市場の変動などが世界経済に与える不確実性が依然としてある.