3Dプリンタで'スポンジ状'の金属積層物作製技術紹介-自動車部品の軽量化へ向けて

摘要

ものづくりの新技術として近年，3Dプリン夕の応用が産業界から注目を集めている.特に2011年6月の米国大統領科学技術諮問委員会において，3Dプリンタを中心とした産学連携の技術開発の枠組が公示されてからというもの，その関連技術の開発競争はすでに世界規模のものとなっている.もともとラピッドプロトタイピングと呼ばれていたとおり，3Dプリンタは基本的に試作品や模型をすばやく作製するための装置だつたが，近年では最終製品を直接作製するためのアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing)という加工法の一種と認識されている.特にドイツのIndustrie 4.0をはじめとするIoT (Internet of Things)を駆使したものづくりシステムを構築する国家プロジェクトに対して，金型を必要とせず，多品種変量生産の需要へ容易に応えられる3Dプリンティング技術は相性が良く，さまざまな産業へ応用の幅を広げている.