AIモデルを活用したエンジン部品研削加工工程の品質保証向上

摘要

加工プロセスの監視による品質保証を行うAlモデルを開発する上で，いかに品質との相関が高く，かつ汎用性の高い品質予測モデルを作るかということを目標とした.品質に影響する要素を洗い出し，センシングしたデータの中から高い相関をもちそうなものに着目し，そのデータの中から特に相関の高い成分のみをフィルタリングした.また量産工程は混流生産であることから，ーつの品質予測モデルで複数の生産型式に対応する必要があり，いかに生産型式の依存性を排除するかに苦労した.その上で複数条件下での検証を行い，手直し後に再トライというスクラップアンドビルドを繰り返した.こうしてできた特徴量抽出技術は，SUBARUと富士通の共同特許として出願済である.本取組みは，ものづくり品質保証のあり方を大きく変える可能性を秘めていると考える.ものづくりの品質を高め，お客様への保証度を格上げするというSUBARUの品質改革に対して，富士通グループのデータ分析，AIノウハウとSUBARUのクルマづくりのノウハウを活かし，共に試行錯誤しながら取り組めたことで，大きな一歩を踏み出せたと考えている.今後は本技術を別の工程や設備へとバリエーシヨンを増やしていくとともに，すべての製造ラインや関連工場，さらにはサプライヤまで展開していき，SUBARU全体での品質保証の格上げを行っていく.