イリジウム錯体触媒を用いたギ酸からの高圧水素ガス発生技術

摘要

2014年末に世界で初めて量産型燃料電池自動車の一 般販売が開始されて以降，順調に販売台数が伸びている. 今後，2020年までに4万台，2030年までに80万台程度 の普及が目標となっている.現在，自動車燃料として の水素価格は戦略的に設定されてはいるが，燃料電池車 の普及のためには，特に「水素の輸送•貯蔵コスト」や 「水素圧縮コスト」の大幅な低減が必要である.水素の 輸送•貯蔵については，水素化•脱水素化反応を利用し た化学的な水素貯蔵技術の開発が集中的に行われている. 水素を有機化合物に取り込hで液体に変換できれば，既 存のインフラを活用できるため，大規模に水素を貯蔵-輸送する場合に極めて有利である.一方で，水素の化学 的な吸脱着に伴う物質変換では，エネルギー損失および 水素ガスへの不純物の混入が課題となっている.