低濃度含水ェタノールを燃料とした高効率エンジンシステム

摘要

CO_2削減のための再生可能エネルギー導入の動きが 世界中で加速している.なかでも，バイオマスから精製 できるバイオエタノールは，ブラジルゃァメリ力など で自動車用燃料として利用が進められている.一般的 に，バイオエタノールはさとうきびなど，さまざまなバ ィォマスからの糖化，発酵，蒸留，脱水の工程により， エタノール濃度を90%以上に高められ，利用されてい る.これらの精製工程にはエネルギーや設備コストがか かることから，バイオエタノールの利用拡大には，各ェ 程の高効率化や簡略化が課題となっている.そこで，蒸 留，脱水工程といった高濃度化プロセスを削減すること で低価格な燃料供給が期待できる低濃度の含水ェタノ一 ルを燃料として利用することに着目し，地産地消のエネ ルギ一システムの構築を検討している.低濃度の含水ェ タノールは水が大量に混入しており，安全な燃料である ことから，供給インフラの投資を抑制できる.一方，こ れを燃料として利用するには，燃えにくく，動力変換が 難しい燃料である.そこで，エンジンの排熱を利用して， エタノールと水から水素を含む改質ガスを生成する技術 とェンジンの燃焼技術を組み合わせた革新的ェンジンシ ステムの検討を行っている.