歯車などの高面圧摺動部品を対象に窒素を活用した表面改質とその特徴

摘要

次世代の電気自動車や高性能ハイブリッド車では，ユニットの小型軽量化とともに電気モータや内燃エンジンの高出力•高回転化が進み，増減速機や変速機用の動力伝達系歯車を中心に多様な摺動部品のさらなる高精度•高信頼^および高面圧化が不可欠とされる.動力伝達系歯車は，炭素鋼やクロム含有低合金棒鋼から各種鍛造，機械加工そして浸炭焼入れなどの表面硬化処理をして製造されている.その耐高面圧性に関しては，従来の2〜3GPa程度ではなく最大4GPaを超える高い面圧強さ，そして同時に急速に普及した低粘度油での厳しい潤滑下で，高速度の負すべりに対する耐摩耗性ゃ低フリクション特性を併せ持つた高強度多機能化が要求されている.さらに歯元の曲げ疲れ強さゃ低サィクル衝撃強さも当然確保しなければならず，量産実現性の観点では生産性の悪化を抑え許容範囲内の生産コストで達成する必要がめる.