和時計から日本の歯車の源流を探る

摘要

三代目津田助左衛門信貫が貞享5年（1688年）に製作した二挺天符櫓時計に使われている歯車について調査を行った結果，以下のことがわかった.(1)新しい発見としては，300年以上前の時計歯車の歯形はサイクロイドに近いものであるが歯形理論に基づいては製作されていない.(2)1851年に製作された田中久重の万年自鳴鐘に使われている歯車も単なる"ひっかかり歯車"であり，歯形理論に基づいて設計された形跡は見られない.このことからわが国では，歯形理論に基づく歯車の製造はされていなかったと考えられる. ;The purpose of this research is to understand the gears used in Japanese Watches(1688). Today's gear technology has been introduced since the Meiji Restoration from Europe, Europe and the United States, but this technology is based on WADOKEI's "Manufacturing power". I hope that it will lead to reviewing the essence of technology that could do such things even in times without computers and machine tools.