車体構造

摘要

2017年に国内で発表された大型トラックおよび，主な製品技術動向を表1に示す.国内トラックメーカ4社はポスト•ポスト新長期といわれる平成28年排出ガス規制および先進ブレーキシステムフェーズ2と呼ばれる安全装置の法規に対応すべく一斉にモデルチェンジを実施した.各社モデルチヱンジに合わせ燃費向上や積載率アップを行うべく，エンジンのダウンサイジングやシャシ廻りの構造および材料見直しにより大幅な軽量化を実現している.これは，積載量が重視されるトラックにおいては大きなポイントである.2017年5月に21年ぶりにフルモデルチェンジした三菱ふそうトラック•バスの「スーパーグレート」は，従来の12.8Lエンジンから7.7Lおよび10.7Lに変更を行った.それにより540 kgの大幅な軽量化を実現.近年の高齢化や女性ドライバに対応すベく，カーゴ系は全車AMT化を行い，MT仕様の廃止をした.同じく，5月に発売した日野自動車の「プロフィァ」は14年ぶりのモデルチェンジで新型9Lエンジン搭載のモデルを開発.シャシ廻りの変更と合わせ，車両としては300 kgの軽量化を果たした.2017年4月に発売したUDトラックスの「クォン」は13年ぶりとなるモデルチェンジで，メインフレームの高張力鋼板の採用や国内大型トラックとしては唯一のディスクブレーキの標準装備により，車両として200kgの軽量化を実現した.いすゞ自動車の「ギガ」は2015年にすでにフルモデルチェンジを実施しており，2017年4月にマイナーチェンジとして平成28年排出ガス規制対応を実施した.