科学技術と広報: NPO活動、SSH授業での経験を踏まえて

摘要

国際数学・理科教育調査など多くのデータで、国内の青少年の科学技術離れが明らかになっている。また、BSE、遺伝子組み換え作物、原子力発電など、もはや一般市民生活と切っても切れない関係の問題においても、科学と一般市民の意識の乖離が拡大している。早急にこの問題の本質を探り、適切な対応をするための制度が必要であると国をはじめ多くの大学、研究機関も感じている。私は、9年間、最先端科学技術分野の研究員として公的研究所で研究を行いつつ、特定非営利活動法人けいはんな文化学術協会活動やSuper Science High-school（SSH）指定高校である奈良県の西大和学園でのSSH授業担当など具体的な様々な活動を通して、科学と一般市民の意識乖離の逓減に取り組んできた。その経験を踏まえて、科学技術とその広報、科学技術を取り扱う組織、研究・開発者がどうあるべきかを論じてみたい。