炉出力向上に関する技術評価について

摘要

日本原子力学会の特別専門委員会で2年間にわたっ て評価検討を実施した。結論として、日本国内におい ても、現在の知見と技術により原子炉出力向上は可能 であり、安全を確保することを大前提とし、積極的な 原子炉出力向上が望まれる。 なお、実際の原子炉出力向上にあたっては、報告書仰 の内容を参考に、個別のプラント毎に原子炉出力向上 条件における評価を行い、安全性が確保されることを 確認していくことが必要である。また、原子炉出力向 上により影響を受ける、中性子照射の増加による脆化 への影響、流れ誘起振動に起因した影響、および流れ 加速型腐食による減肉への影響については、個別のプ ラント毎に評価を実施し、設計や保全管理プログラム の中で適切に対応していくことが重要である。さらに、 欧米での原子炉出力向上実績や運転経験などを反映し、 より安全な原子炉出力向上が可能となるように、常に 最新知見を取り入れていくことも重要である。