原子力施設立地と地域振興: 第17回　敦賀市敦賀発電所等（その4）地域自律化への検証を試みる 検証の視座を構造的にみる

摘要

これまで3回にわたり、敦賀半島での原子力発電所建設の動きが明らかとなった昭和37年（1962年）以降、今日に至る約50年の地域形成過程を傭撤してきた。そこでは「振興」実績を評価する5つの局面に係る実証的、具体的事象を捉えることができた。 　しかし、その事象は個別的、断片的なものであり、それがどのようなメカニズムにおいて形成されてきたのかという検討は不十分であった。 　本稿では、そのメカニズムの形成に視点を据え、具象相互の連関、有機化のプロセスを捉え、敦賀市の地域自律化のダイナミズムが如何に形成されてきたのかについて構造的分析と課題を明示的にする。