短工期で地震時にも安全な高層ビルの切断解体工法

摘要

大林組は，高層ビルや超高層ビルを解体する際に，圧砕せずにすべて切断してタワークレーンで地上に下ろし，地上にて分別処理する解体工法「QBカットオフ工法」を開発した。今回，医療施設と近接する施工条件下での解体工事に適用した。一般的にビルを解体する場合，圧砕用重機を建物に上載して，上部から一層ごとに解体する工法が採用される。しかし，高層ビルの場合には，圧砕用の重機の上載や解体材の荷降ろしなどの揚童方法が課題であるとともに，常に建物の頂部で重機を用いることで騒音や振動，粉塵が発生し，特に都心部では周辺環境への影響もある。さらには高所作業による落下の危険性，地震時における耐震性の確保など，環境への配慮を徹底すべき事項が増えてきている。