座屈を考慮した部材と骨組の設計: 波板鋼板を用いたH形断面部材

摘要

波板鋼板を用いたH形断面部材は，波形に成形した2.2〜2.4mm厚の薄肉鋼板ウェブを，12〜19mm厚のフランジ鋼板で挟み込み，片側隅肉溶接で組立溶接した「波形ウェブ鉄骨」(図1)である。主な用途の平家建建築物(工場，倉庫，事務所など)では，一般に部材は曲げモーメントや変形から决定されるため，通常のロールH材ではせん断耐力が過剰になる場合が多い。波形ウェブ鉄骨は薄いウェブ厚のまま梁せいを大きくし，大きな曲げ耐力を確保できるため，このような建物では有効な部材となる。以下に，本部材の力学的性能と実施例について示す。