木造なのに壁がない: 本郷台キリスト教会チャーチスクール保育園

摘要

何気なく見ると，単なる全面ガラスファサードの木造の建物である。特に「危なそう」と思う人は少ないのではないか？柱サイズは，一般的に見慣れた在来木造で使われる120mm角である。しかし木造ラーメンでもなく，よく見ると筋かいや壁は見当たらない。キリスト教会が運営するチャーチスクールと，保育園の2階建の施設である。木架構，木床，木サッシによる木の建築を，全面ガラス張り，かつ内部全体を見渡せる建築計画とすることで，透明感の高い木造を実現している。3.56×3.56mのシンプルな平面系を不規則につなげ，その中に五つの中庭を配置し，外部と内部が空間的にも視覚的にも混ざり合ってつながりをもつ計画としている。構造的な特色としては，一つは壁·筋かいのない『透明な木造』の実現と，もう一つは耐震性能を高める『ガラス制震壁』の採用である。