免震+石張り外殻構造によるグリッドデザインのスタンダードの追求

摘要

中央区八丁堀近辺に，鐵砲洲と呼ばれる地域がある。江戸幕府開府以来「江戸湊」の埋立が進められた中で，京橋川が隅田川に合流する細長い洲を「鐵砲洲」といい，大筒の試射場であったとされている。現在は鐵砲洲稲荷神社にその名が残るのみであるが，かつての水運の名残として戦前より鉄鋼業，印刷業など物流を要する事業者がこの地に多く点在している。本プロジェクトも，創業100年を迎える建築主の本社およびテナントオフイスビルの計画である。計画地は北側に旧桜川(古くは八丁堀ともいわれたが，現在は暗渠)が流れ，東西70m,南北18mの極めて奥行の浅い敷地形状であり，次代の100年を見据え，長く使え·安心·安全·BCPを強化したオフィスビルの設計を行った。