制振ダンパーと鋼管コッターの組合せによる居たまま補強: 埼玉県第二庁舎耐震改修

摘要

耐震性能の確保とともに「庁舎を使用しながら補強工事を実施する」ことが主要命題であった案件に対し，建物外周にオイルダンパーによる制振補強を行った「埼玉県第二庁舎補強工事」について報告する。既存建物の耐震性能は基本設計時に行った耐震診断の結果，各階のI_s値がX(桁行)方向で0.473～0.681,Y(張間)方向で0.523～0.546であった。建物に要求される耐震性能は『官庁施設の総合耐震計画基準及び同解説』による『Ⅱ類』相当である0.75であり，いずれの方向でも目標性能を下まわっていた。