X·Y方向とも耐力壁付きラーメン架構阿蘇草千里レストハウス「ドゥース·ヌッカ」

摘要

活発な火山活動をし続ける，阿蘇中岳を望む草千里に立地する木造2階建の飲食物販店舗(設計：アルセッド建築研究所)である。本建物は，2016年の熊本地震で被災した「草千里レストハウス」の建替えとして設計された。被災した建物はRC造のレストランだつたが，阿蘇の自然景観となじむよう木造で計画され，草千里や阿蘇の山々を建物内から存分に眺望できるよう吹抜や大きな空間を確保するように考えられた。穏やかな心地よいぬくもりを……，との思いを込めて名付けられたレストランである。7m角グリッドを縦横とも3スパン連続の21m角の2階建に，縦14×横7mの矩形形状の平屋建が取り付いた平面形状となつている(図1)。外観は雄大な山並みと調和するよう4寸勾配の切妻屋根(平屋建部分の屋根勾配は2寸)と深い軒を有し，外壁•軒天はスギ板張りとなっている。また，多量の降水量に対し，基礎高を高くするなどの配慮も行っている。建物高さは軒高9mを超えると準耐火構造となり，木を現す場合には燃えしろ設計となるので軒高9m以下としている(内装制限あり)。