ザ·ブックス建築家•野口孫市に関する初の本格的研究書の誕生野口孫市の建築術西洋と日本のはざまで

摘要

本書は，明治期の第二世代の建築家で，住友家に仕え，大阪の中之島図書館などを設計した野口孫市(1869～1915年)に関する初の本格的研究書だ。野口は1869年，現在の姫路市の名家に生まれた。学問を好む環境の中で育ち，1891年に帝国大学工科大学造家学科へ入学。そこで，明治期の第一世代である辰野金吾らの薫陶を受け，大学院を経て逓信省に勤務した。その後，1899年に住友本店からの招聘を受けて入社し，1915年に46歳の若さで亡くなるまで，住友家から依頼された数々の建築を設計した。