冷涼珈琲店

摘要

東京の湾岸エリアにて閱催された展覧会「HOUSE VISION 2016」の会場内に建て られた、アイス·コーヒーを楽ムむ休憩場 所。コーヒーの麻袋から着想した麻の屢根 によって真夏の会場に清凉感をもたらすこ とを考えた。また仮股建築であること、半 屋外空間が求められていることから輕快な 空間を目指した。丸太の独立柱の頂部に直 徑30mmの丸鋼の粱を載せたT型の構造を 長手方向に800mmピッチに反復させ、麻 布をそっと被せる。麻布は自重で力テナリー 曲線を描き、その反復のなかに光と影が重 なり合う。長手方向の桁梁をなくしている ため、内側にいても「箱」のような拘束を感 じない。さらに基礎をベンチに、丸太柱を 背もたれにするといったように構造を家具 化することで、構造の存在さえもほとんど 意識に上らない。麻の屋根に柔らかく覆わ れただけの、木陰のような空間。ベンチに腰をかけると目線が暖簾の下端にきて、厘内と厘外、プライヴエートとパブリックの 境にあるこの空間の状態が強く意識される。