公営低層住宅'70-'80'六番池団地'誕生物語

摘要

「茨城県水戸市の郊外に六番池団地と呼ばれる小さな県営住宅団地が誕生した。われわれの事務所を開設してはじめてのまとまった設計プロジェクトの完成である。敷地8,000平方メートル、収容戸数90戸という小規模団地ながら、全国ではじめての試みという3階建低層公営住宅という特徴を持つことから、県の住宅課の方々とも集合住宅はどうあるべきかという基本問題にまで立ち返りながら議論に議論を重ねてきた作品であり、(中略)感慨深い作品となった。……」1976年、私が「住環境設計のための基本的課題」と題して発表した小論の冒頭部分である。