建築を模型で表現するということ

摘要

筆者がプロデュースした「みんなの建築ミニチュア」展(オリェ・アート・ギャラリー)は、遠藤秀平が世界各地で収集した建築みやげをベースに、数名のコレクションを足して総数は約450となった。これらはランドマークが圧倒的に多い。逆にいえば、そうした形態の強度がないと、有名にならないし、縮小しても名前が特定できる。もっとも、ミニチュア化する際、記憶されない細部は除去され、建物のアイデンティティにとって重要な部分が残っていく。また正確に全体を縮小するわけではなく、キャラを際立たせるため、部分的にデフォルメしたり、プロポーションを変えるケースも少なくない。ときには銀閣寺のように、実物は銀色ではないが、名前のイメージから模型を銀に塗る操作も認められる。つまり、模型を通じてアイコン建築の特徴がぁぷり出される。