巨大防潮堤図鑑釜石—石巻間150kmをゆく

摘要

防潮堤図鑑をつくろう。宮城県石卷市から岩手県釜石市までおよそ150km。新聞記者の加藤裕則氏に案内されて、三陸のリアス式海岸沿いを車で走った。石卷港近くの海岸では子どもたちが絵を描いた1.5mほどの高さの防波堤に代わって、山のような防潮堤を建設中。宮城県南三陸町志津川の荒砥海岸はもっとひどい。リアス式海岸の狭い砂浜をピラミッド型、三角形の防潮堤が占拠する。陸側は崖で人家はない。集団で住民が高台移転した石卷市北上町十三浜の長塩谷•立神地区にも写真のように小山のごとく防潮堤が築かれていく。陸側には誰一人住んでいないというのに。岩手県気仙沼市本吉町を流れる沖ノ田川は川を遡上する津波対策のためにコンクリートで人工化された。21億円かけたその背後には箱庭のような田んぼだけ。同市内の小泉海岸では、津波被災後に砂浜が形成され、動植物も戻ってきた力5、高さ14.7mもの巨大防潮堤が建設されようとしている。