「がんばらないけれどあきらめない」地域医療と病院建築の理想を求めて

摘要

嫌田 よその病院はあまり参考にしていません。僕は新しいモノ好き。43年前に、医者がいなくて困っていると聞いて、諷訪中央病院にやって来ました。地域の人々の使いやすい病院をつくろうとしました。僕の興味はどちらかというと人間のほうだけれど、当時の院長の故・今井澄(きよし)先生が建築好きでよく研究しておられました。誕訪中央病院は茅野巿、原村、諏訪市による組合立の病院で、2市1村、茅野巿の人口5万6千人(現在)、周りも含めて10万人の医療圏の中で必要な病院はどうあるべきか議論して自分たちの哲学をつくってきました。「人のまねをしない」のが諏訪中央病院なんです。今は建築のほうは武井先生が中心となって、30年以上、脈々と立ち止まることなく、少しずっ改善をしてきました。そして、来春、第3期工事を終え、一つの完成を見るのです。