まだ見たてとのない景色な探し続けて宮里龍治アトリエ2020-2017

摘要

一級建築士事務所開設から40年目の今年5月、愛知県新城市の作手にある標高520mの森に、住居と事務所を移転した。これまで経験したことのない、新鮮で豊かな環境での生活は、毎日が新しい学びの時間である。見たことのない数々の昆虫、早朝からやってくる鳥たち、日々姿を変えていく草花や樹々、見上げれば流れる雲、西の空に沈む夕日、夜空の星の輝き、散歩に出れば姿を見せる鹿の親子、さまざまに心へ届く。しかし放置された植林の山の危機的な状況、皆伐され赤土むき出しの山の姿。縁豊かな農村風景も、厳しい状況の中で、日々努力の積み重ねの上に成り立つていることを知り、残すべき豊かな環境とともにある建築の姿を探したいと考えている。